静岡県宅建協会様主催「不動産会社のための生成AI入門セミナー」第2回に登壇いたしました

2026年8月24日、公益社団法人 静岡県宅地建物取引業協会様主催の研修会にて、「不動産会社のための生成AI入門セミナー~今からでも間に合う、不動産AI活用の第一歩~」をテーマに、弊社取締役の徳留さやかが登壇いたしました。

■主催

公益社団法人 静岡県宅地建物取引業協会

■タイトル

不動産会社のための生成AI入門セミナー
~今からでも間に合う、不動産AI活用の第一歩~

■内容

本セミナーでは、不動産会社における生成AIの実践的な活用方法について解説しました。

今回は、AIで情報収集してから来店するお客様への対応、AIが示した情報源の確認方法、営業ノウハウのデータ化などを取り上げました。また、参加者の方から寄せられた相談をもとに、売買契約書へ記載する特約事項の文案をその場で作成する実演も行いました。

実際の相談から特約事項の文案を作成

質疑応答では、具体的な実務の事例としてAIを利用できることを教えて欲しいという質問が寄せられたので、契約書の特約事例を作成する状況について、デモンストレーションをしました。特約の内容は、「テレビアンテナが設置されておらず、売主側でも設置する予定がない物件について、売買契約書へどのように記載すればよいか」というものです。

物件の状況や売主・買主の負担範囲を生成AIへ伝え、売主がアンテナ設備の設置義務を負わず、テレビを視聴するために必要な設備や契約は買主の負担とする旨の特約事項案を作成しました。

生成AIは、契約条件を決定したり、法的な判断を行ったりするものではありません。一方で、案件の背景や外せない条件を具体的に入力することで、契約書へ記載する文章や確認事項の叩き台を短時間で作成できます。

完成した文案については、実際の取引条件と一致しているかを担当者が確認し、必要に応じて専門家へ相談したうえで使用することが重要です。

AIが示した「出典」も人が確認する

生成AIは、事実と異なる内容を、正しい情報であるかのように回答することがあります。

講演では、AIへ「根拠や出典を示してください」と指示した場合でも、実在しない資料や、質問とは関係のない行政機関の資料を示す可能性があることをお伝えしました。

特に、法令、税制、補助金、契約条件など、正確性と最新性が求められる情報については、資料名やリンクが表示されたことだけで正しいと判断してはいけません。

AIが示したリンクを実際に開き、該当する記載があるかを確認するとともに、行政機関などが公開する一次情報へ立ち返る必要があります。

AIで調べてから来店するお客様への対応

現在は、物件や相場だけでなく、「信頼できる不動産会社の見分け方」や「不動産会社へ確認すべきこと」まで、生成AIで調べてから来店するお客様もいます。

そのため、不動産会社側も、AIがお客様へどのような情報や判断基準を示しているのかを把握することが重要です。

インターネットやAIで調べられる一般的な情報だけでなく、地域の特性、実際の取引経験、物件ごとの注意点など、自社だからこそ提供できる情報が、今後さらに求められることを解説しました。

営業ノウハウを記録し、組織のデータに変える

生成AIを営業教育へ活用する方法として、商談や営業ロールプレイを文字起こしし、記録として残す取り組みもご紹介しました。

人同士で行ったロールプレイは、記録しなければその場限りで終わってしまいます。会話を文字データとして蓄積すれば、成績の良い営業担当者の質問、提案の順序、お客様からの反論に対する切り返しなどをAIで分析できます。

分析した内容から、自社に合ったトーク例や新人向けの教育資料を作成することで、個人が持つ営業ノウハウを組織全体で共有することが可能になります。

AIを有効に活用するためには、ツールを導入するだけでなく、日々の商談や接客内容を記録し、自社独自のデータを残すことが重要です。

■おわりに

今回の研修では、生成AIを単なる文章作成ツールとしてではなく、契約実務の補助、情報源の確認、営業ノウハウの蓄積に活用する方法を、具体的な事例と実演を通じてお伝えしました。

生成AIが作成した内容をそのまま使用するのではなく、人が確認と最終判断を行うことが、安全な業務活用の基本です。

今後も、不動産会社が生成AIを日々の実務へ安全かつ効果的に取り入れられるよう、現場に即した活用方法を発信してまいります。