公益社団法人 富山県宅地建物取引業協会様主催「差別化戦略とAIO対策セミナー~選ばれる不動産会社になるために~」に登壇いたしました

2026年8月7日、公益社団法人 富山県宅地建物取引業協会様主催の令和8年度第1回業務研修会にて、「差別化戦略とAIO対策セミナー~選ばれる不動産会社になるために~」をテーマに、弊社取締役の徳留さやかが登壇いたしました。

■主催

公益社団法人 富山県宅地建物取引業協会様

■タイトル

差別化戦略とAIO対策セミナー
~選ばれる不動産会社になるために~

■内容

本セミナーでは、生成AIの普及によって変化する顧客行動を踏まえ、不動産会社が価格やサービス条件だけで比較される状態から抜け出し、「自社だから選ばれる価値」をどのように言語化し、発信するかについて解説しました。

今回は、参加者の皆様による言葉のワークと、富山へ転勤する子育て世帯を想定した情報発信の事例を通じて、地域密着型の不動産会社だからこそできるAIO対策をお伝えしました。

「働く」の意味から考える会社の個性

講演の冒頭では、「働く」という言葉を自分なりに言い換え、その反対の意味を考える参加型ワークを実施しました。

参加者の皆様が入力した言葉は一つのアートとして会場に表示されましたが、同じ「働く」という言葉でも、その意味や反対の状態は一人ひとり異なりました。

これは「良い不動産会社」という言葉も同じです。

丁寧に説明してくれる会社、地域情報に詳しい会社、決断を急がせない会社など、お客様によって求める価値は異なります。

自社のお客様がどのような会社を「良い不動産会社」と考えているのかを言葉にすることが、差別化の出発点になります。

また、社員同士の考え方の違いを無理に統一するのではなく、それぞれの経験や視点を会社の個性として活かす考え方についてもお伝えしました。

富山へ転勤する子育て世帯を想定した情報発信

講演では、情報を届けたいお客様の例として、「転勤で富山へ引っ越してくる30代の子育て世帯で、学区や治安を重視し、休日にしか内覧できない方」という具体的な人物像を設定しました。

単に「富山市で不動産を探している人」と設定しても、対象が広すぎるため、発信する内容は一般的になってしまいます。

一方で、転勤、子育て、学区、治安、休日の内覧という条件まで具体化すると、通学路、病院、保育園、子育て支援制度など、伝えるべき情報が見えてきます。

誰に来てほしいのか、その人は何に悩み、どのような言葉で検索するのかを具体的に考えることで、AIにもお客様にも伝わりやすい情報を設計できます。

通学路を一緒に歩いた経験も一次情報になる

AIは、地域の一般的な情報を整理することはできますが、実際に現地を歩いた経験や、お客様との対話から生まれた気づきを持っていません。

例えば、二つの物件で迷っているお客様と一緒に通学路を歩き、道幅、交通量、夜間の明るさを確認した結果、安全に通学できる物件を選んだという経験は、地域で営業する不動産会社だから持てる一次情報です。

その体験を記事にすれば、物件の条件だけでなく、「この会社は通学路まで一緒に確認してくれる」という接客の姿勢も伝わります。

ほかにも、お客様が夜道の街灯を気にしていた経験から「夜でも安心して歩きやすいエリア特集」を作ることや、転居後すぐに利用できる病院や保育園を尋ねられた経験から「子育て世帯向け地域情報」を発信することができます。

日々の接客で生まれる小さな気づきが、AIには作れない自社独自の情報になります。

AIOでは一つの段落だけでも伝わる文章にする

AIOとは、ChatGPTやGemini、Claudeなどの生成AIに質問した際に、自社の情報を回答として紹介してもらうための対策です。

AIOでは、ホームページ全体だけでなく、文章の一節が質問への回答として利用できるかが重要になります。

「上記物件は駅から徒歩5分です。これが最大の魅力です」と書くだけでは、その部分だけを抜き出した際に、どの物件について説明しているのか分かりません。

物件名、所在地、最寄り駅、徒歩分数、物件の特徴などを一つの段落で完結させることで、AIにもお客様にも内容が伝わりやすくなります。

結論を冒頭に置き、具体的な数字、自社で得た経験、地域の一次情報、情報の出所を加えることが、AIに選ばれる情報づくりにつながります。

AIが作った文章に自社の経験を加える

AIが作った一般的な文章をそのまま掲載しても、ほかの不動産会社と似た内容になり、自社が選ばれる理由は伝わりません。

AIは文章を整えるための叩き台として活用し、そこへ実際の接客で得た情報や、地域で働く中で気づいたことを加える必要があります。

営業担当者が接客でお客様へ話した内容を音声入力し、AIに読みやすい文章へ整えてもらう方法もご紹介しました。

文章を整える作業はAIに任せ、人はAIが持っていない経験や気づきを提供する。この役割分担によって、負担を抑えながら独自性のある情報を発信できます。

明日から始める3つのステップ

セミナーの最後には、差別化とAIO対策を始めるための行動として、次の3つをお伝えしました。

1.お客様から選ばれた理由を一つ書き出す
2.地域で見たこと、聞いたこと、気づいたことを一つメモする
3.その内容をAIで文章化し、自分の言葉を一行加える

まずは一日一人のお客様を振り返り、「なぜ自分や自社を選んでくれたのか」を言葉にします。

地域で得た情報を実際の接客で伝え、お客様に喜ばれた内容を蓄積していくことで、自社が発信すべきテーマも見えるようになります。

■おわりに

AI時代の差別化に必要なのは、誰も考えたことのないサービスを生み出すことだけではありません。

日々のお客様との対話や、地域で積み重ねてきた経験を言葉にし、自分たちにしか伝えられない情報として発信することです。

今後も、開催地域や参加者の皆様との対話から生まれた内容を大切にしながら、不動産会社がAIにもお客様にも選ばれるための実践的な情報を発信してまいります。