第4回土地バンクフォーラム「2026年最新!建築・不動産業界を取り巻く環境と企業経営の成長戦略」に登壇いたしました。

2026年8月4日、株式会社ネットデータ様主催の「第4回 土地バンクフォーラム ~建築・不動産業界の最前線を語り尽くす~」に、弊社代表取締役の木村圭志が登壇いたしました。 

主催

株式会社ネットデータ(土地バンク)  様

 

タイトル

2026年最新!建築・不動産業界を取り巻く環境と企業経営の成長戦略 

 

内容

本セッションでは、下記のパネリストの方たちをお迎えし、建築・不動産業界におけるAI・データ活用の変化と、それによって生まれる機会や脅威、これから成長する企業に求められる条件について議論しました。 

株式会社新建新聞社 代表取締役社長 三浦祐成様
株式会社リブ・コンサルティング パートナー 永岡陽太様
株式会社ネットデータ 代表取締役 松岡明様

AIとデータが変える、仕事と意思決定のスピード

セッション前半では、この1年間でAIとデータが建築・不動産業界にもたらした変化について議論しました。

文章や資料、物件情報、プログラムなどの「叩き台」をAIが短時間で作成できるようになり、業務スピードは大きく向上しています。

また、これまで紙や個人の頭の中に留まっていた情報を、音声認識や生成AIによって文章化し、社内のナレッジとして蓄積・共有しやすくなりました。

一方で、AIを効果的に活用するためには、その前提となるデータが欠かせません。過去の価格情報や顧客情報、商談履歴などを継続的に蓄積してきた企業ほど、AIを活用した分析や意思決定において優位性を持つことが共有されました。

情報提供だけでは選ばれない時代へ

現在は、不動産会社だけでなく、お客様自身も生成AIを活用するようになっています。

重要事項説明書や売買契約書、物件資料をAIに読み込ませて質問事項を整理したり、AIから提案された条件をもとに物件を探したりするケースも増えています。

誰でも短時間で一定の情報を得られるようになったことで、単に情報を知っていることや、資料を作成することだけでは、専門家としての価値を生み出しにくくなっています。

これからの営業担当者には、AIが示した情報が正しいかを判断し、現場や地域の事情を踏まえて、お客様にとって本当に適切な選択肢を提示する力が求められます。

AIを使う企業と使わない企業の差

AI普及による最大の脅威は、AIそのものに仕事を奪われることではなく、AIを活用して成長する企業と、従来の方法を続ける企業との間に大きな差が生まれることです。

AIを活用すれば、新人教育や営業支援、資料作成、情報整理などを効率化し、少人数の企業でも大企業のマンパワーに対抗できる可能性があります。

一方で、決められたマニュアルをそのまま説明する営業や、定型的な作業を担ってきた人材の役割は、今後縮小していく可能性があります。

AIによって一定水準の業務を誰でも行えるようになるからこそ、専門的な判断力や独自性を持つ人材の価値は、これまで以上に高まっていくことが語られました。

トップ営業の「暗黙知」を組織の資産へ

クロストークでは、AI時代における営業教育についても議論しました。

木村からは、トップ営業を単に「売れている人」と定義するのではなく、それぞれの会社にとって求める営業像を言葉にする必要があるとお伝えしました。

トップ営業は、お客様の反応や状況に応じて、さまざまな判断や行動を無意識に行っています。

こうした経験や感覚に基づくノウハウ(暗黙知)を言語化し、共有できる形にすることで、個人の能力を組織全体の営業力へと変えることができます。

AIを活用して全員を同じ営業スタイルにするのではなく、自社にとって大切な判断基準や価値観を明確にし、人材育成へつなげることの重要性についてお話ししました。

AI時代だからこそ求められる、人にしかできない営業

お客様が言葉にできている質問には、AIも一定の回答を出せるようになっています。

これから人間の営業担当者に求められるのは、お客様自身もまだ言葉にできていない希望や不安を引き出し、その背景まで理解することです。

不動産は、数千万円単位の大きな意思決定を伴います。AIが示した答えを伝えるだけでなく、地域の事情や現場経験を踏まえて多角的な意見を示し、根拠を持ってお客様の決断を後押しすることが、人間の営業担当者にしか生み出せない価値となります。

単なる情報提供者ではなく、お客様と一緒に考えるコンサルタントや、長期的な関係を築く伴走者としての役割が、今後さらに重要になることをお伝えしました。

これから成長する企業に求められる条件

セッション後半では、AI時代に成長する企業の条件について議論しました。

一般的な情報は、AIを使えば誰でも取得できます。だからこそ、今後は次のような企業独自の資産が競争力になります。

  • 長年蓄積してきた顧客情報や取引データ
  • 地域に根差しているからこそ分かる現場の空気感
  • AIの回答を正しく判断できる専門性
  • お客様が言葉にできない要望を引き出す力
  • 社内に蓄積された経験やノウハウ
  • お客様との間に築いてきた信頼関係

また、AIによって空いた時間を、新しい知識の習得やサービス開発に充てることも重要です。

建築だけ、不動産だけという既存の枠に留まらず、金融やリフォーム、地域サービスなどへ対応できる能力を広げながら、地域との関係をより深めていく企業には、大きな成長機会があることが共有されました。

AI活用に必要な、自社の価値観の言語化

AIの活用が進むほど、会社として「何をAIに任せ、何を人が担うのか」を決める必要があります。

例えば、お客様へのメールをどこまでAIに任せるのか、どのような言葉遣いや表現を大切にするのかは、単なる業務効率の問題ではありません。

そこには、自社がお客様とどのような関係を築きたいのかという、会社の価値観が表れます。

AIに具体的な業務指示を与えるだけでなく、自社が大切にする考え方や判断基準を言葉にし、組織全体で共有することが重要です。

AIが一定水準の仕事を担えるようになった先で企業の違いを生み出すのは、独自のデータや専門性だけでなく、その会社ならではの思想や価値観であることをお伝えしました。

■おわりに

AIによって、誰もが短期間で一定水準の仕事を行える時代が到来しています。

しかし、全員が同じように「80点」の仕事をできるようになれば、これまでの80点は新しい標準となり、それだけでは選ばれる理由になりません。

AIを活用して業務を効率化するだけでなく、自社にしかないデータ、地域で培った経験、専門家としての判断力、お客様との関係性、そして会社独自の価値観をどのように育てていくかが、これからの企業経営において重要になります。

今後も株式会社流導では、不動産会社におけるAI・データ活用を支援するとともに、個人が持つ経験や言葉を組織の資産へ変え、人とAIがそれぞれの強みを活かせる組織づくりについて発信してまいります。